銀行に対して試算表報告の際、銀行の格付け評価を上げるためにも、口頭で銀行にうまく説明できないという社長さんは社内で報告資料を事前に作成しておくことをお勧めいたします。 融資交渉が口頭だけで終わってしまいますと、伝えたいことの大部分が融資担当者の頭に残らず、場合によっては誤った情報が支店長に伝えられることになってしまいます。銀行の稟議は全て書類で行われております。
したがいまして、報告資料としてこちらで準備持参してあげればそれだけでも効果的ではないのでしょうか。
以下にポイントとなるべき事項を挙げておきました。参考にしてください。
資産、負債項目
1 現預金の出入りの動きを説明できるようにしておく。
銀行は現預金の毎月の動きが適切か否か必ず見ます。
2 売掛金、手形の発生、回収の動きの説明。
毎月適切に回収できてるか。回収の遅れはないか。
3 仮払金、貸付金の発生、回収の動き
仮払金、貸付金が何に使っているのか説明が絶対に必要となります。(公私混同をしてい ると思われます。)
4 固定資産の取得、売却
投資効果が見込めるのか、否か 。
5 買掛金 借入金の増減
毎月きちんと約定通りに返済できていれば良いですができていない場合原因の説 明が必要です。
損益項目
1 売上高
売上が過去と比較してどのように推移しているのか説明が必要です。
2 売上原価
期中の仕入の推移、在庫の状況を説明できるようにしておきます。
3 販売費、一般管理費
人件費、リース、地代家賃等毎月きちんと支払っているか。
4 減価償却費
期末一括計上か、毎月の見込み計上か。
5 営業利益
前期との比較。なぜ増えたのか、なぜ減ったのか説明が必要です。
6 営業外費用
支払利息の確認
7 税金
税金は滞納しないようにしましょう。
銀行は試算表を通じて企業の変化を読み取ろうとします。悪い印象を持たれないためにも試算表で出た数字の動きの背景をしっかりと説明することで評価は高まると考えます。
したがって、仮に業績が悪化していても決してあわてず、その数字がでた原因が外的環境の要因によるものか、内的環境の要因によるものかしっかり見極めたうえで経営計画書につなげることが重要です。